2022.08.30
YOUの強さ「褒められたことは忘れる。批判的な意見こそ、ちゃんと聞きたい」
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その道のプロに聞く、今の自分に必要なお気に入りアイテム。今回は、フラワーショップ「THE LITTLE SHOP OF FLOWERS」主宰の壱岐ゆかりさんに3つの大切なアイテムを見せていただきました。
都心とは思えないほど豊かな樹木に囲まれた原宿の地にフラワーショップを構える壱岐ゆかりさん。独自のセンスが光る花々に加え、花の残渣で染色するプロダクトの販売やバンドルダイ、金継ぎなど次々と手がけるプロジェクトやワークショップは、どれも興味をそそられるものばかり。そんな未来を見据えた取り組みをさりげなく提案し続けている彼女が大切にしているものとは?
代々木上原で週末だけのフラワーショップを始め、2年ほどで今の原宿の店舗に移転。営業をスタートして10年となる「THE LITTLE SHOP OF FLOWERS」。
「実はそのタイミングがちょうど出産と重なり、引っ越しは出産の2週間後でした。当時は初めてのことだらけで、子連れで早朝の市場にも行くなど常に時間に追われていましたね。お店と一緒に息子も育った感じです」
そんな息子さんも成長して10歳に。今でも壱岐さんが大切にしているのが、こちらの木製のキュートなピノキオ人形だといいます。
「子供の服やおもちゃなど、ずっと取っておくタイプではないのですが、これは母になったばかりの自分を鮮明に思い出す、大切なものなんです。息子がかじりまくって鼻が取れているもの愛着がわきます」
息子さんも“ママが大切にしているものだよね”と認識しているそうで、家で大事に飾っているのだとか。手と足がロープでできていて、台にお座りしているような愛らしい人形はインテリアとしても映えそう。子供の成長とともにお店を営んできた月日を感じる大切なモノ、のようです。
子供を出産した際、お祝いでいただいたというこちら。
「息子が4月生まれなんですが、ちょうど掘り上げたタイミングのチューリップの球根を、乾かしてまた植えたらいいよって、友人からいただきました。毎年植えて花を咲かせる、そしてまた球根を取り出すという循環が素敵だな、と思って“梅仕事”的な感じで続けています」
こちらは昨年植えて、花が咲き終わった今年バージョンの球根なのだそう。
「実は昨年、父親が亡くなったんです。記念樹的な意味で、ベランダで父を想って植えました。息子が生まれたときにいただいた球根が父につながっていくことに、なんだか生と死の循環を感じて感慨深かったですね」
子供が生まれてから続いている毎年の季節の仕事は、昨年からは命の循環を感じるような、大切な家族に想いを馳せる意味のあるものになっていったといいます。
ミニマルなシルエットに、ゴールドのプレーンのボタンが光る黒ジャケットは、壱岐さんが親族から受け継ぎ大切に着ている一枚。
「母方の大叔母から譲っていただいたものです。彼女は地元の北海道で、その当時女性が働くことが不自由だった時代にキャリアウーマンとして頑張ってきた人。親族で唯一の女の子だった私をすごくかわいがってくれて。いろいろお洋服を送ってくれるんです」
既製服は一切買わない、というこだわりを持つ大叔母さんが仕立てたジャケットは、さらりと着られてシワになりにくく一枚羽織ればきちんと見える優秀なアイテム。
「店頭でも使えて、とても重宝しています。私が仕事を続け、頑張っているのを喜んでくれていて。彼女は私にとって、早くに亡くなった祖母のような存在で慕っているんですよ」と言います。働くことの大変さ、楽しさ、そして喜びを見守ってきたであろう、キリリと美しいジャケットは、きっと壱岐さんに特別なパワーをくれていることでしょう。
profile
壱岐ゆかり(いきゆかり)
フラワーショップ「THE LITTLE SHOP OF FLOWERS」主宰。インテリアショップ、ファッションプレスなどを経て、2010年に東京・代々木上原で週末だけのフラワーショップをスタート。2013年よりレストラン「eatrip」を主宰する野村友里さんとともに現在の原宿に移転。2019年には「渋谷パルコ」内にバーを併設した「THE LITTLE BAR OF FLOWERS」をオープン。ホームページでは、花農家さん訪問記や花の残渣を染料に変えるプロジェクト「colors by flower waste」ついての詳細をアップデート中。
https://store.thelittleshopofflowers.jp/
Instagram @thelittleshopofflowers
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